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漢方薬と腸内細菌

2025.04.02 漢方

西洋薬の多くが化学合成による“ひとつの成分”で構成されているのに対し、漢方薬は複数の天然由来の生薬からなる、まったく対照的な姿をしています。
そして、この違いは吸収の仕組みにも現れます。

西洋薬は主に小腸の上皮細胞から吸収されますが、漢方薬は小腸に限らず、大腸からも吸収されることがわかっています。その鍵となるのが、漢方薬に多く含まれる 「配糖体」 という成分です。
配糖体は分子構造の中に糖鎖を持つため、消化酵素ではほとんど分解されず、そのままの形では腸管から吸収されません。つまり、漢方薬の主要な有効成分の多くは、体内に入っただけでは力を発揮できないのです。

そこで重要な役割を担うのが 腸内細菌 です。
腸内細菌の多くは、配糖体から糖鎖を切り離す酵素を持っており、この働きによって配糖体は分解され、初めて体内に吸収されて薬効を発揮します。

同じ漢方薬でも、人によって効き方に違いが出るのは、腸内細菌の種類や活動性、量が異なるため──そんな可能性も指摘されています。

腸は “吸収” にとどまらず、免疫調整など多くの重要な働きを担い、全身の恒常性を支える大切な臓器です。その腸の健康を決めるのが、100兆個ともいわれる腸内細菌たち。
それぞれの菌が腸壁に定着し、まるで森のような生態系「腸内フローラ(腸内細菌叢)」を形づくります。

この腸内フローラは 3歳頃までにほぼ決まる といわれています。
だからこそ、乳幼児期の食事・生活環境はとても大切です。食品添加物は腸内細菌の増殖を妨げ、抗生物質は腸内フローラを乱してしまうため、この時期は特に慎重さが求められます。

漢方医学の古典『素問』の五行色体表では、肺と大腸は“表裏”の関係として描かれており、秋の鼻炎症状との関連にも触れられています。
二千年以上前の人々は、経験を通してすでに「全身と腸には深い繋がりがある」ことを見抜いていたのです。

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