症例①
40代 男性
5年程、発作性の咳に悩まされている。
発症当初は呼吸器内科を受診し、各種検査を行ったが明らかな原因は特定されなかった。
気管支拡張剤を中心とした薬物治療を行い、漢方薬(麦門冬湯)も処方されていたが、症状改善はみられなかった。
呼吸器内科では心因性の可能性も考慮され、紹介状により心療内科を受診したが、咳との因果関係は認められず、その後は薬物療法を行っていなかった。
仕事中に発作が起こることにストレスを感じており、このことを相談の主訴として来局された。
誠実な人柄で、顔全体にやや赤みを帯びている。
以前ほどではないものの、仕事上の鬱屈感も認められた。
相談中も顔を赤くして込み上げるような咳発作が見られ、発作後には頻繁に咳払いを行っていた。
喉の痞えを確認したが、特に自覚はなく、むしろみぞおちの痞えを自覚していた。
緊張や痙攣を緩め、気の巡りを整えることを念頭に方剤を選定した。
気剤は、気の鬱積によって生じる病態に用いられる。
治療開始2週間後には明らかな症状改善を自覚し、継続して様子を見たいとの希望があった。
その後約1カ月半の服用で症状は大きく改善し、漢方治療は終了した。
▢咳嗽に用いる漢方薬
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
五虎湯(ごことう)
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
小青竜湯加杏仁石膏(しょうせいりゅうとうかきょうにんせっこう)
桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)
橘皮半夏湯(きっぴはんげとう)
杏蘇散(きょうそさん)
柴陥湯(さいかんとう)
神秘湯(しんぴとう)
蘇子降気湯(そしこうきとう)
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
滋陰降火湯(じいいんこうかとう)
滋陰至宝湯(じいんしほうとう)
参蘇飲(じんそいん)
清肺湯(せいはいとう)
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)
竹筎温胆湯(ちくじょうんたんとう)
など