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ご相談事例

副鼻腔炎|漢方症例

耳鼻咽喉系の不調

|副鼻腔炎

40代
毎年春になると副鼻腔炎を繰り返してしまう、という相談は少なくない。
花粉症や風邪をきっかけに鼻粘膜の炎症が強まり、そのまま副鼻腔炎へ移行してしまうケースである。
本症例も、まさにそのような経過を繰り返していた患者さまである。

今回も、花粉症の悪化の流れで副鼻腔炎を発症していた。
これまでは症状が出ると耳鼻科を受診し、抗生物質を中心に抗アレルギー薬や去痰薬、ステロイド点鼻薬などの処方を受けてきたという。
治療によって症状はいったん落ち着くものの、しばらくすると再燃していた。

このような経過を反復していることから、体質面からの改善を目的として漢方治療を希望されていた。

主症状は顔面の奥にこもるような熱感と、頭から頬にかけて重だるい感覚である。
さらに、嗅覚の低下と異臭感も続いていた。
副鼻腔の奥に熱を帯びた停滞が生じ、そこに粘稠な分泌物が滞ることで、独特の頭重感や嗅覚異常を引き起こしている状態である。

このような副鼻腔炎では、炎症を抑えるだけでは改善が十分でないことも多い。
そこで、顔面部にこもった熱を除きながら鼻腔周囲の炎症を鎮める処方を骨格とし、副鼻腔に滞った分泌物の排出を促す方向の生薬を組み合わせた煎じ薬を調合した。
炎症を鎮めながら、副鼻腔内の停滞を改善していく構成である。

副鼻腔は袋状の構造をしているため、一度停滞が生じると排出が滞りやすい。
すると炎症が長引き、頭重感や嗅覚障害といった症状が続きやすくなる。
そのため、炎症を鎮めることと同時に、停滞した膿や分泌物を外へ排出するという視点が大切になる。

服用開始後、1週間ほどで鼻の通りが少しずつ改善し始めた。
2週間ほど経過した頃には、顔面に感じていた熱感や頭部の重だるさも軽減してきていた。
その後、徐々に嗅覚も回復し、日常生活の中で匂いが分かる場面が増えてきたとのことであった。
副鼻腔炎では炎症が落ち着いても嗅覚の回復に時間がかかることもあるが、本症例では比較的順調な経過をたどった。
最終的には約1か月の服用で顔面の重苦しさや嗅覚異常はほぼ消失し、煎じ薬は終了となった。

副鼻腔炎は、さまざまな要因が関与して発症する疾患でもあり、体質的な要素が複雑に関わることも多い。
さらに、鼻中隔の弯曲など鼻腔構造の偏りや、鼻茸(ポリープ)などが鼻腔の通路を狭めることで、副鼻腔の換気や排出が妨げられ、炎症が長引く要因となることもある。
副鼻腔炎は、炎症と分泌物の停滞が相互に影響し合いながら増悪を繰り返す病態である。
そのため、これらを同時に整え、増悪の連鎖を断ち切っていく必要がある。

繰り返す副鼻腔炎に対しては、一律の処方選定ではなく、病期(進行や経過の中での段階)や体質的背景を踏まえて調整していくことが、改善の鍵となる。

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