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ご相談事例

頭痛

症例①
20代 女性
脳神経外科に通院中。内服薬として、トリプタノール、トリプタン製剤、ロキソ二ンを使用し、片頭痛治療薬の皮下注射を月1回投与しているが、効果がみられずにいた。
様々な不調を抱えていたが、特に天候による体調変化が顕著で、急激な気圧変化では高頻度で頭痛を発症していた。
頭痛に関連する様々な不調により、日常生活にも支障をきたすようになっていた。
頭痛発作時には口の渇きを感じ、尿も出にくい自覚があったため、五苓散を用いたが効果はみられない。
類似方剤に切り替えたところ、2週間程度で状態に変化がみられ始める。
煎じ薬開始前の痛みの程度は、10段階評価で10レベルであったが、2~3レベル程度で安定するようになった。その頃には月1回の皮下注射を中止したが、状態の悪化はみられず、春先の天候不安定な時期を迎えても状態は安定維持できていた。
その後、方剤の微調整(合方等)を行い、痛みの程度が1~2程度まで軽減される。
現在も状態は安定しており、煎じ薬を継続中。

■頭痛の代表方剤
▢呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
発作性の激しい頭痛をくり返すタイプに用いる機会が多い。
足の冷え、胃のあたりに圧重感や詰まった感じを訴えて気の動揺が激しく興奮状態を呈することが多い。発作時には痛む側の肩から後頭部にかけて強い凝りをしばしば訴える。必ずしも片頭痛に限った方剤ではなく、五苓散や半夏白朮天麻湯など鑑別を要する。

▢五苓散(ごれいさん)
漢方で湿証に対処する代表的な方剤である。
一般的に浮腫みの漢方として用いられているが、証に適合する場合を除いて効果をしめしにくい。胃腸内、体腔官外の水を血中に移行し尿利をつけることから、水の偏在を正す方剤とされる。

▢苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
尿量が比較的少なく、胃内停水があり、気の上衝によるめまいや身体動揺感、心悸亢進などを目標とする。起床時に怠く、夕方にかけて体調が良くなる体質に適合する場合が多い。
構成生薬の桂枝、茯苓は気の上衝による動揺性症状を正し、茯苓・白朮は水の順行を良くする作用を持つ。類方に茯苓沢瀉湯、苓桂甘棗湯、苓桂味甘湯、茯苓甘草湯などがあり鑑別を要する。この種の苓桂剤に関して、一般的な細粒剤と煎じ薬ではその効果にとても大きな差を持つ実感がある。

▢半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
主要骨格は六君子湯で、鎮痙作用を有する天麻を中心に消化健胃薬、澤瀉や乾姜などの燥性生薬が加わり構成される。
メニエールや眼振性めまいに用いる機会が多いが、胃腸虚弱者の水毒性の頭痛症状が目標となる。頭にかぶさったような重苦しさや、眉間のあたりから額、頭頂部にかけて痛みが甚だしいこともある。平素から胃腸が弱く、血色がすぐれず、易疲労、食後に眠気を催しやすく、手足が冷えると訴える人にみられる頭痛に用いる。

▢釣藤散(ちょうとうさん)
構成生薬に石膏が含まれるため、熱証であることを基本とする。
主薬の釣藤鈎には、肝気を平らかにして神経の異常興奮を調節する能があるため、気逆や高血圧、動脈硬化に伴う頭痛に効果がみられる。拡張期血圧が高く、早朝覚醒時に頻発するタイプに用いる機会が多い。
釣藤鈎を主薬とした方剤に七物降下湯があるが、こちらは血虚がみられる虚証体質に用いる場合がある。

▢その他
桂枝人参湯(けいしにんじんとう)
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
桂姜棗草黄辛附湯(けいきょうそうそうおうしんぶとう)
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)
葛根湯(かっこんとう)
川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)
抑肝散加芍薬黄連(よくかんさんかしゃくやくおうれん)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
など

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