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ご相談事例

動悸、息切れ(循環器疾患)

症例①
70代 女性
2024年の1月、寒さの厳しい日に自宅で倒れて救急搬送された。
以前から空咳や息切れなど自覚症状があったが、大の病院嫌いで定期健診も受けずにいたという。
搬送先の総合病院で、拡張型心筋症・慢性腎不全と診断された。
心臓のポンプとしての機能が著しく低下しており、肺に水が溜まり、胸腔穿刺で溜まった水を抜く処置を受けている。
1カ月間の入院期間を経て、現在は定期通院しながら自宅療養中である。
心臓、腎臓への負担を軽減するために、血圧コントロールを中心に薬物療法を行っている。
食事内容にも注意をしながら腎臓病の宅配食を利用している。
体調を崩してから1年が経過して検査値は安定しているが、動悸や息切れが酷く、疲労感も強いので漢方薬で少しでも軽減出来ないものかと相談を受けた。
虚状を強く示しており、栄養は衰えて燥きが強く、皮膚は血色が悪く黒色を帯びて枯燥している。
冷たいものを摂ると下痢をする。口は乾き、手足の煩熱も気になるという。
とにかく地黄を用いる証に違いないと考えた。
滋潤を柱に裏寒(身体内部の冷え)に対応する方剤を合方して煎じ薬を調合した。
2週間後には、身体が温まり下痢をすることがなくなったとおっしゃる。
その後も方剤の調整を行いながら煎じ薬を継続したところ、動悸や息切れの症状が軽減し始めて、3カ月後には感じることがない程までに改善した。
肌艶は見違えるほどに潤い、血色も良くなった。
今では庭掃除や軽運動を行うまでに体力も回復している。

西洋薬の補充療法として漢方薬を用いて奏効した例である。


▢心悸亢進(動悸)に用いる漢方
炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
柴胡加竜骨牡蛎湯(加減)(柴胡加竜骨牡蛎湯)
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
桂枝甘草湯(けいしかんぞうとう)
苓桂甘棗湯(りょうけいかんそうとう)
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
苓甘草湯(りょうかんぞうとう)
奔豚湯/肘後方(ほんとんとうちゅうごほう)
桂枝加桂湯(けいしかけいとう)
連珠飲(れんじゅういん)
滋陰降火湯(じいんこうかとう)
など

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