症例①
50代 男性
比較的広範囲に蕁麻疹がでると相談にいらした。
掌にも症状が現れることもあり、趣味のゴルフの最中などにはクラブを握ると違和感があるという。
皮膚科に受診したが、原因ははっきりとせずに外用ステロイドの処方を受けている。
慢性に経過しており、症状が出ると外用薬を塗って過ごしている。
話を伺うと、軽度の掻痒感があり、比較的赤みのあるしっかりとした丘疹である。
大きな丘疹の出る蕁麻疹は、一種の浮腫とも見ることができ、その場合は湿証であることが多い。
口が渇くことや黄疸の既往歴があることなども考慮して方剤を選定した。
2週間後、完全な軽快とまでいかないものの、ほぼ毎日使用していた外用ステロイドの使用頻度が、週に1回程度まで減ったと喜ばれた。
▢蕁麻疹に用いる漢方
香蘇散(こうそさん)
桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)
茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)
葛根湯(かっこんとう)
消風散(しょうふうさん)
越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
大柴胡湯(だいさいことう)
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
荊防排毒散(けいぼうはいどくさん)
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)