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ご相談事例

更年期障害に伴う全身の不調|漢方症例

婦人科系 自律神経系の不調

40代女性
数か月前から、ホットフラッシュや発汗を繰り返すようになった。当初、婦人科を受診し、更年期障害による症状と説明を受けたが、経過観察となった。
その後も症状は改善せず、めまい、頭痛、首や肩のこり、不安感、動悸、不眠などが次第に加わり、体調は日によって大きく変動するようになった。仕事中に突然体調が悪くなることもあり、外出にも不安を感じるようになるなど、日常生活への影響も大きくなったため、ご相談にみえた。

更年期障害では、ほてりや発汗が代表的な症状として知られている。しかし実際には、それだけで経過することは少なく、めまい、不眠、頭痛、動悸、不安感など、さまざまな症状を伴うことが多い。

更年期障害は、更年期における女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変動や低下をきっかけに生じると考えられている。エストロゲンは視床下部をはじめとする中枢神経系にも作用するため、その変化によって自律神経や体温調節の働きが乱れ、ホットフラッシュや発汗だけでなく、めまい、不眠、頭痛、動悸、不安感など、全身にさまざまな症状が現れることがある。

初回のご相談時は疲労感が強く、うつむき加減で話されることが多かった。表情にも疲れがにじみ、心身ともに消耗している様子がうかがえた。顔には熱感があるものの、全身をみると単純に熱だけが問題ではなく、局所的な症状だけでは説明できない状態であった。
全身にさまざまな症状が現れていても、一つひとつの症状を個別に追うのではなく、一つの病態として捉えることが大切である。特に、更年期障害をはじめとする自律神経系の不調では、この視点が重要になる。

煎じ薬の服用開始から2週間後には、睡眠や不安感に変化がみられた。夜間に目覚めることが減り、気持ちにも少しずつ余裕が生まれ始めた。
1か月が経過した時点では、めまいや頭痛も徐々に軽減し、体調の波は少しずつ小さくなっていった。さらに、ほてりや発汗の頻度も減少し、外出への不安も和らぎ、仕事にも支障なく取り組めるようになった。

治療経過の中で印象的だったのは、一つの症状だけではなく、複数の症状が連動するように改善していったことである。経過とともに表情は明るくなり、自然と笑顔もみられるようになった。仕事や日常生活への不安も薄れ、穏やかな表情で話されるようになったことからも、心身の状態が着実に改善していることがうかがえた。

更年期障害は、さまざまな症状によって日常生活や仕事にも影響を及ぼし、生活の質を大きく低下させる。
症状の改善はあくまで通過点であり、その先にある本来の生活を取り戻していただくことこそが、目指すべきものであると改めて感じた症例である。

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