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春の訪れ

2025.03.11 漢方

ここ数日天気が落ちつかず、何となく心身の不調を感じている人も少なくないと思います。天気予報で雨予報を知っただけで気分が滅入ってしまう人もいるくらいです。急激な気圧や湿度の変化に身体の調整機能が追い付かないことが不調の原因の一つです。
漢方では「痰飲証」というものがあります。急激な気圧や湿度の変化による心身の不調もこの「痰飲証」と考えられています。漢方でいう痰は、現代医学の喀痰の意味にとどまらず、体液全般を含みます。つまり「痰飲証」とは体液全般の異常を指しています。
大塚敬節先生は著書の中で、「人間の身体は70%は水であり、水の代謝に障害が起こって、その運行分布の状態が円滑を欠くと種々の症状が惹起される。」と述べておられます。現代医学では、利尿剤というものがあります。利尿剤は、その種類によって近位尿細管に作用するもの、遠位尿細管に作用するもの、ヘンレループに作用するものなどその作用点が異なりますが、共通して体液量を減らすことが主な目的です。
一方、漢方医学では水をさばく方剤が多数ありますが、利尿(利水)作用ということだけではなく、むしろ水の偏在を調整する作用として位置づけられています。大塚敬節先生の言われる「運行分布が円滑を欠いた状態」を調整するというのがその目的です。結果として、下痢・嘔吐・尿利減少・浮腫・動悸・眩暈・耳鳴り・頭痛・倦怠感・関節痛・喘鳴・咳嗽・口渇など多様な症状に応用されます。
季節の移ろいを心地よく感じることができるように心身のバランスを整えたいものです。

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