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原点

2025.03.26 漢方

桂枝湯は漢方医学の聖典とされる『傷寒論』太陽病の一番初めに登場する方剤で、基本方剤中の基本方剤とも言うべきものです。
現在では、「体力虚弱で汗が出るもののかぜの初期」に用いる方剤とされていますが、葛根湯や麻黄湯の影に隠れて、臨床の場で目にする機会はほとんどありません。しかし、大塚敬節先生は傷寒論解説の中で、桂枝湯を解肌の剤といっています。※解肌とは肌を和解する意味。つまり桂枝湯は発汗剤ではなく、体表の機能が衰えている時に、これを賦活する効能がある。すなわち表の虚している時に、これを補うための方剤とされています。汗の出る表証に限定されたものではなく、汗の出ていない場合に用いて表を補うことで、体表の機能が回復して気血の循環が正常にもどり汗が出るのです。そのため、桂枝湯は解肌の剤というわけです。
また、桂枝湯は衆方の祖といわれるように加減方が多くあり、桂枝加黄耆湯、桂枝加葛根湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、桂枝加芍薬湯、小建中湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、桂枝加桂湯などその構成に桂枝湯を内包しています。
このように、様々な重要方剤の骨格であることからも桂枝湯は原点と考えられるのです。

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